【革靴】革靴に使われる革の種類をまとめてみたよ!①

革靴

今回は自分の中でのおさらいも兼ねて、革靴に使われる革の種類をまとめてみました。

特に革靴を初めて買う時とかに店員さんから革の説明とか聞いても、呪文唱えられてるみたいで何のことか全く分かってなかったのは のすけ だけじゃないはず。

革の種類とその特徴を知ることによって革靴選びの幅も広がると思いますので、参考になれば幸いです。

革の基礎知識!

まずは革のおさらいからです。

そもそも革というのは、動物から剥ぎ取った「皮」に鞣し加工を施して、腐りにくく、強くしなやかにしたものを「革」といいます。皮の状態だとほっておくと腐っちゃうだけですからね。

革は「乳頭層」と「網状層」に分かれ、さらに乳頭層の上部を「銀面」、網状層の下部を「床面」と呼びます。

また革は生きていた動物の皮が使われるため、当然ながらその品質は均一というわけにはいきません。

トラと呼ばれる生きていた時についた傷だったり、血筋と呼ばれる血管の跡だったりが残っていることも多く、全ての革が革靴をはじめとした革製品に使われているわけではありません。

欧米だとトラとか血筋も「天然物の証!」ってことで残ったまま製品化されることもあるようですが、日本人は几帳面なためきれいな部分のみ使われてる製品が入ってくるみたいですよ。

と、こんな感じで予習は終わりにして早速本題にうつりましょう!

牛革

まずは最も一般的な素材である牛革からいきます。

カーフ

生後6か月くらいまでの仔牛の原皮を用いた革です。薄いものの、キメ細かく、柔らかいので牛革としては最も高価な部類になります。

J.Mウェストンのボックスカーフです。

革自体の面積も小さいので取引量も少なく、一般的には高級革靴のアッパーに用いられています。

ちなみに生後3か月以内のものはベビーカーフと呼ばれ、カーフよりも更にキメ細かく柔らかいらしいですが、革靴に使われることはほとんどないようです。

キップ

生後6か月から2年くらいまでの牛の原皮を用いた革です。カーフに比べ厚みがあり、キメ細かさなどは劣るものの、その分強度には優れるため革靴にもよく使われています。

ちなみにカーフとキップを明確に分けているのは日本だけのようで、欧米ではどちらもカーフと呼ぶみたいですよ。つまりヨーロッパのシューメーカーで「カーフ使ってます!」って言ってるとこも実はキップでした、という靴があるということです。もしかしたら我が家にもあるのかも?

まあキップでも物によってはカーフと遜色ないものもあると聞いたことありますし、実用面では特に困ってないんでそんなに気にすることもないでしょう。

ステア

生後3~6か月の間に去勢され、生後2年以上経った牛の原皮を用いた革です。カーフやキップに比べると柔らかさやキメ細かさは劣るものの、その分肉厚で強度にも優れています。しかも去勢しているおかげで、厚みやキメが均一で扱いやすいらしいですよ。

インソールやアウトソールといった耐久性と厚みが必要な箇所によく使われているようです。

また加工次第ではアッパーでも十分に使用できる品質である為、一般的な革靴に使われているのはほとんどステアレザーのようです。

鞣しの種類による分類

上でもちょろっと書きましたが、鞣しっていうのは「皮」から腐敗しにくい「革」へと加工する段階で行う化学処理のことです。

古来より人間は色々な方法で鞣し作業を行ったいたようですが、現在では2種類(3種類?)の方法で行われています。

タンニン鞣し

その名の通り植物から抽出したタンニンという成分を利用して鞣す方法です。そうです、緑茶とかワインの渋み成分である、あのタンニンです。

タンニン鞣しは天然成分由来の古くから行われている方法ですが、工程も多く、期間も1~3か月程かかるので、現在では少数派な鞣し方です。

タンニン鞣しで鞣されると、摩擦に強く、硬い丈夫で頑丈な革にはなりますが、弾力や柔らかさはあんまりなく、染色するのも難しいようなのでインソールやアウトソールに使われることが多いみたいです。

ちなみにレンデンバッハとかのオークバークソールっていうのは、その名の通りオークバーク(樫の木)のタンニンで鞣された革のことです。オークバークソールの場合、タンナーにもよりますが1~2年ほどかけて鞣されるようです。そりゃ高いわけだ。

クロム鞣し

塩基性硫酸クロムという化学薬品を使って鞣す方法です。150年前くらいに開発された方法です。

こちらはタンニン鞣しと違い時間も手間もかからないので、現在では圧倒的に主流派の鞣し方になります。

クロム鞣しだとタンニン鞣しの革よりも耐久性などは劣りますが、その分柔らかく弾力性のあり、染色した時に発色が良い革になるので、基本的はアッパーに使われているようです。

ただ、クロム鞣しの製造に関しては問題ないのですが、なんせ化学薬品を使ってるんでクロム鞣しの工程で出る排水や革の屑などを慎重に処理しなければいけないようです。世界的に環境保全が叫ばれる現代では、その処理に関わる手間や費用もバカにならないようで、1990年代以降、クロム鞣しを得意とする著名なタンナー達を廃業に追い込んだ一因になったとか。

混合鞣し

タンニン鞣しとクロム鞣しの両方を行う方法です。

クロム鞣し→タンニン鞣しの順で行う方法を「コンビ鞣し」と言い、反対にタンニン鞣し→クロム鞣しの順で行う方法を「逆コンビ鞣し」と言います。

特にコンビ鞣しは、クロム鞣しの環境への影響も鑑みて、アッパー用の革に使われることも多くなってきたようです。

まとめ!

ふぅ。さくっとまとめる予定が思った以上に長引きそうなので、とりあえず今回はここまでにしておきます。

次回は、革そのものに加工を施したものだったりとか、牛革以外の革についてもまとめられたらなと思っています。

続きはこちらからどうぞ。

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